飛行機が飛ばない理由-ポールと私の日米会話(5)
米アリゾナ州フェニックス・スカイハーバー国際空港では、6月20日の気温が摂氏48.8℃になり、多くの飛行機がフライトキャンセルになったそうだ。アリゾナは砂漠気候なので例年猛暑となるわけだが、中でも今年は特別に暑いらしい。
飛行機が飛べない理由とは?
ポールがそのニュースをネットで見た時、最初に頭を過ぎったのは「えっ、高温で飛行機が飛べないってメルトダウン?」だったそう。いやあ、私も瞬間そう思った(笑)。でもまさか、どんなに気温が上がったとしても、金属が溶けるほど上がるわけはない。
ではどうして飛ばないの?と聞くと、大型機のボーイングなら52℃まで大丈夫だが、国内線に使われる小型機は離陸可能な温度が48℃までと定められているのでフライトできないと言う。「えっ、何で?」
ポールが調べたところでは、気温が高くなると空気が薄くなり揚力が低下してしまうらしい。その結果機体を上昇させられなくなるので離陸を禁止するということのようだ。へぇ、恥ずかしながら私、この年までそんなことちっとも知らなかった。
旅行予定のスペインでは大丈夫そう
アメリカの砂漠地帯の話がなぜ私たちの関心を引いたのかというと、近々出かけるのがスペインのアンダルシア方面だからだ。
「アンダルシアのフライパン」と称されるコルドバやセビーリャでは、夏の気温が40℃近くになると聞いているので、特に暑い年ともなればそれ以上の温度もあるかもしれない。そうなるとフェニックス同様飛行機が飛ばないという事態もあり得るのでは?とついつい想像力を働かせてしまったというわけだ。
しかし、幸いなことに私たちは鉄道移動を選んでいた。予約では苦労させられたものの、飛行機が飛ばないことに比べたら全然マシ。飛行機の発着地点はマドリッドなので、それほど気温も上がらないだろうし、万一熱暑となっても、大型機の規制値52℃まで上がることはちょっと考えられない。
ということで、ひとまずこの件がスペイン旅行に及ぼす影響はなさそうなのでホッとした次第。出発まであと一週間。何事もなくいつも通りに出発できますように。