やっぱり苦手と言うけれど-ポールと私の日米会話(11)
篠笛レッスン生たちのおさらい会に行ってきた。あいにくの雨と寒さでくじけそうになりつつも、何としても行かなくちゃという使命感に駆られた私が向かった先は所沢ミューズ。
14時15分から始まった演奏は18時までと約4時間の長丁場。聞いているだけの私にはかなり難行だったけれど(笑)、ポールと夫の日頃の成果を見ることができたのは良かった。
演奏シーンをビデオで撮影
前回の記事で書いたように、人前で演奏するのが苦手だというポールに何かしらヒントにしてもらおうと、しっかりビデオ撮影もしてきた。撮影したのは二人が演奏した4曲と、荒井ひとみ先生の演奏シーン。でもここに勝手に公開するわけにはいかないので悪しからず。
今日はそのビデオを見ながらふたりで反省会。
ビデオを見ながら反省会
直前の練習ではスムーズに演奏できていたのに、ステージに出た途端に全てがすっ飛んでしまったこと。演奏しているうちにどんどん速くなってしまったこと。早く終わらせたくて最後のあたりで走ってしまったことなど、出てくる、出てくる、ポールの反省の弁。
でも、綺麗な音を出すのにこだわっているだけあって、音の良さは際立っていたというのが私の感想。
人前で演奏する時はいつもと違って鼓動が速くなるので、意識して「More slowly」と自分に言い聞かせることや、音質にこだわってリズムを途切れさせてしまうと聞いている方が音楽を楽しめないので「Keep the rhythm」が大事だよとか、これは私自身の体験(元ロックバンドのドラマー)から出たアドバイス。
すでに夫からも言われていたようで、始まる前まで自分に言い聞かせていたものの慣れない楽譜に気を取られてすっかり抜けてしまったと言う。
次回からは暗譜で演奏する
実は楽譜が読めないので日頃の練習は全て暗譜だとのこと。最初に先生の演奏をスマホに録音させてもらい、それを聞きながら練習していると言う。ステージで立ち往生した時に困らないよう(精神安定剤?)楽譜を用意したということらしいが、かえって集中力を欠く原因になっていたらしい。
人前で演奏することと話すことの共通点
演奏と講演では全然違うと思われるかもしれないが、私自身も原稿を見ながらの講演では今ひとつだったことがある(元講師)。どうしても原稿どおりに話そうとするので、話が固くなったり、共感を引き出せなかったりして説得力に欠けるのだ。
そんな経験から、私の講演原稿は言いたいことのポイントを箇条書きしたものしか用意しないことにしていた。その結果、場の共有や説得力が増す実感を得られるようになった。聴衆との間を遮るものがなくなり、グッと距離が近ずくということなのだろう。
音楽なら尚更その傾向は強いはずだ。楽譜代わりに置くなら「more slowly」「Keep the rhythm」と大きく書いた紙だけで良いのでは?と提案してみた。
暗譜しているポールの強みは生かすべし!なのだ。