言葉も見かけもグローバル化-ポールと私の日米会話(9)
私が旅先で出会った人、特に英語が母国語でない人とのメールのやり取りに、How are U?などの省略形が頻繁に登場して最初は戸惑ったと話したら、もっと省略してHow R U?も使うよ、とポール。こちらは文字でのコミュニケーションの例だが、日常会話などでもこれと同類の現象があるという。
pidginが示す異言語間会話の未来
例えばハワイなど、異民族間、異言語間のコミュニケーションでは出来るだけ言葉を省略して、わかりやすく、スピーディに伝わるよう言葉を変えてきたのだという。そしてその言葉自体をpidginと呼んでいるそうだ。
pidginの意味 ( 英和辞典 Weblio辞書より) 2 つ以上の言語の単純化された混成語; 共通語をもたない人たちの伝達手段 として用いられる。 |
更にポールの話は続く。
10年くらい前にどこかの大学教授が「学生たちが省略形の言葉遣いでメールを書いてくる」と嘆いていたそうだ。(これは日本でも同じでは?)
また、同じ頃、友人、家族とのメールのやり取りでポールが絵文字を使ったら「stupid!」(愚か者...ちょっとムッとした感じで)と言われたものだったのに、今やみんなも当たり前に使っていると。
文字によるコミュニケーションでも、日常会話でも、交流の範囲が広がってくるにつれ、お互いの共通理解のために変化せざるを得ないのだろう。
ということで、この日の感想を二人で考えてみたのが次の文章だ。
It seems texting and the internet is precipitating the next evolution of langage.
メッセージやインターネットは言語の次の進化を促しているように見える。
インターネット時代の均質化(服装や態度)
ポールは1995年から2006年までレンタカー屋さんに勤めていた。1995年はまだインターネットが一般化していなかった頃だ。
当時はレンタカーを借りにくるお客さんの服装や話し方、人に接する態度などがずいぶん異なっていたそうだ。それも国や人種による違いだけでなく、旅行に出かける人たちの層による違い、例えば、教育程度や職業による違いなども大きかったようだ。服装を見ただけでどこの国の人かわかったり、話し方や態度から職業も大体わかったものだと言う。
ところがインターネットの普及と共に、人々が似たような服装になり、言葉遣いや態度からもあまり差を感じなくなったのだそうだ。国も職業も、垣根を越えて均質化の波が押し寄せていることを肌で感じていたらしい。
People are homogenized by new ways of comunication.
言葉も見かけもどんどんグローバル化、というより均質化が進んでいることは確かだと思うが、これは世界をどのように変えていくのだろう。争いをなくし平和の方向に導いてくれるのか、それとも変化を望まない人たちの反乱を引き出してしまうのか。今は両者が拮抗しているように見えるのだが、、、
若い頃は何でも古いものに反発してきたという点で二人とも共通しているが、今は古いものの中でも、良いもの悪いものを選り分けて、大切にすべきものを残したいね、という点で意見が一致した。何を残していきたいかについては、またの機会に。
I(We) want to learn the wisdom of our predecessor.
先人の知恵から学びたいものだ。