新型コロナ治療薬のその後の承認状況など
世界中でワクチン接種が進む中、それをあざ笑うかのように猛威を振るっているデルタ株やラムダ株。コロナは次々に変異を遂げていくものだと知ってはいても、感染力が強くなれば人々の不安も増幅されていく。どうやらワクチンを接種しても感染そのものは防げないようだし、軽症者や無症状者が増えることで未接種者には更に感染機会が増えてしまうことになる。
こうなると感染初期に一刻も早く治療薬が提供されることが最も大切だ。宿泊療養者や自宅療養者が安心して病気と闘えるよう、どうしたら速やかに治療薬を提供できるか自治体や医師会が連係して知恵を絞ってほしいと切に願う。
治療薬に関する記事は、以前「フサン、イベルメクチン、5-ALAなど日本製の新型コロナ特効薬の現状」にも記したが、情報が少し古くなってきたので、最新の情報(とはいっても7/20現在のもの)をまとめておくことにした。
出典は厚生労働省のサイト内にある下記のリンク先なので、製薬メーカーや、治験の経緯など詳細を知りたい方はそちらを参照してもらうことにして、ここでは特に知りたい項目に絞って整理してみることにした。
治療薬、ワクチン、医療機器、検査キットの開発について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
↑ 上記ページ中、↓ 下記のリンク先が治療薬についての記事。
新型コロナウイルス感染症に対する治療に用いられる薬及びその候補(令和3年7月20日更新)
新型コロナウイルス感染症に対する承認済みの治療薬
※【注】下記はすべて2021年7月20日現在のもの
製品名(一般名) | 投与方法 |
対象者 |
承認日など |
ベクルリー (レムデシビル) |
点滴薬 |
中等症~重症者 |
2020/5/7 特例承認 |
デカドロン (デキサメタゾン) |
経口または静脈注射 | 重症者 | 既存の承認薬 |
オルミエント (バリシチニブ) |
経口薬 | 中等症~重症者 |
レムデシビルとの併用で 2021/4/23承認 |
ロナプリーブ (カシリビマブ・イムデビマブ) 抗体カクテル療法 |
点滴薬 |
軽症から中等症Ⅰの患者 (現時点では入院患者対象) |
2021/7/19 特例承認 |
ヘパリン (その他治療薬) |
注射または点滴薬 |
血栓のリスクある患者 |
既存薬 |
※8月16日、菅首相が抗体カクテル療法ができるホテルを全国に整備すると述べたとのこと。
ホテルに「抗体カクテル療法」施設、首相が全国に拠点整備の方針表明
新型コロナウイルス感染症に対する承認申請済みのもの
アビガン (ファビピラビル) |
経口薬 | 重症化リスク因子を持つ発症早期患者対象 |
2020/10/16 承認申請 (継続審議) |
治験実施中のもの
アクテムラ (トシリズマブ) |
注射薬 | 重症者 | 2020/4/8~企業治験開始 |
ケブザラ (サリルマブ) |
注射薬 | 重症者 | 企業主導の第Ⅱ/Ⅲ相国際共同治験では有効性を示せず |
ビラセプト (ネルフィナビル) |
経口薬 | ? | 2020/7/22~長崎大学を中心に医師主導治験実施中 |
ストロメクトール (イベルメクチン) |
経口薬 |
感染予防・軽症者 |
2020/9/16~北里大学病院で医師主導治験を実施。 2021/7/1~企業治験実施中(興和サイト内のブレスリリースはこちら) |
アドレノメデュリン (ADM-L1-01) |
点滴薬 | 重症者 | 2020/9/1~宮崎大学が医師主導治験を実施中 |
製品名未定 (サルグラモスチム) |
吸入薬 | ? | 2020/10/30~企業治験実施中 |
製品名未定 (AT-527) |
経口薬 | ? | 2021/5/7~企業治験実施中 |
【8/21追記】厚生労働省の治験中の治療薬一覧に掲載されていないが、塩野義製薬の治療薬の動向にも注意!
塩野義製薬が年内の“早期承認”目指す「飲むタイプのコロナ治療薬」は米ファイザーに先行するか
特定臨床研究を実施中のもの
オルベスコ (シクレソニド) |
吸入薬 | 無症状・軽症者 |
2020/3/16~2021/3/31観察研究実施 |
フサン (ナファモスタット) |
点滴薬 ※吸入薬は開発中止 |
感染初期 | 2020/5/1~特定臨床研究実施 |
積極的な開発が行われていないもの、国内開発が中止されたもの
カレトラ(ロピナビル/リトナビル)
製品名未定(血漿分画製剤)
フオイパン(カモスタット)など
医療体制に関する私と友人たちの考え
長尾和弘医師が提言したという下記リンク先の記事内容は、以前から私や友人たちがみんな口を揃えてこうしてほしいと願っていたもの。医療を受ける側が願っていることと、医療を提供する側が提供可能と言ってくれていることが一致するなら、これは実行するしかないではないか。
なお、製薬会社の興和で現在行われているイベルメクチンの治験には東京都医師会も協力しているとプレスリリースに書かれていたところを見ると、実現可能性も高いと見て良いのだろうか?
医師が提言 コロナ「5類に引き下げればひっ迫氷塊」ブラマヨ小杉も賛同
ここに来て感染者の数が急増。自宅療養者も調整中を含めると三万人を超える。自宅で亡くなった人もいる。そんなニュースを毎日見て気持ちも落ち込んでますますこわがる人が増え、何がなんでもワクチンを早くとせまる気持ちもわかる。
国産ワクチンの開発状況、治療薬の開発承認。
そのような前向きな情報が厚労省のホームページにはそれなりに掲載されているがなかなか素人には分かりづらい。
モモさんのブログを読むと日本は慎重に進めているなとわかる。
やたらに怖がるのでなく、さまざまな角度からの情報に触れて対処する、そして自分自身の身体を知り免疫力を高めていくことも必要だなと感じるこの頃だ。
ホントこのところ感染者急増のようですね。ワクチン接種が進むと軽症者が増加するせいか、かえって感染者は蔓延するのかも。この状態は未接種者にとっては以前にも増して注意が必要かと。
そうそう待ち望んでいる人も多いだろうと思うので、国産ワクチンの情報も載せておかなくちゃ。