国産ワクチン開発の進捗状況は?

前回のコロナ治療薬に続いて、おそらく待ち望んでいる人も多いと思われる国産ワクチン開発の現状について、今わかっている範囲で報告しておきたい。開発はまだ途中段階でほとんどが治験の真っ最中ということなので、メディアでもほとんど紹介されず、歯がゆい思いをしている人も多いはず。そもそも日本製のワクチンが開発途中であることを知らない人も多いかもしれない。

厚生労働省承認済み及び治験中のワクチン

前回紹介した厚生労働省webサイトの新型コロナワクチンについてのページ内にあるワクチン開発と見通しというページには、日本の開発状況だけでなく海外の様子もわかるような詳細情報が掲載されている。ただ例によって盛りだくさんの情報のため一番知りたいことが埋もれてしまっている感も否めない。とりあえず国内でのワクチン開発状況けでも知lりたいという場合は、ページ内の現在の国内でのワクチンの開発状況<主なもの>をクリックすれば鮮明なpdf画像が表示される。

ただし現在の最新データは令和3年8月18日更新となっており、頻繁に更新されている様子なので、後日最新データを確認したい場合は、上記のワクチン開発と見通しのページから再アクセスする必要がある。

【注】一覧表の「目標」欄にある第Ⅲ相試験と書かれているのが最終段階で、これが終了すると承認申請→審査→承認→販売となる。

ついに治験条件が緩和される

なお、以前から治験に時間がかかりすぎると言われてきた問題の解決策として、今年6月に日米欧などが治験に関する新方式の採用を決定し、これに基づき厚生労働省は約30か国・地域と新方式について合意したとのこと。治験の最終段階でプラセボ(偽薬)との比較を既存薬との比較に変更したこと、対象人数を数万人規模から数千人規模に緩和したことなど、非常時には特に有効な条件緩和になると思われる。

特に前者はこれだけワクチンが行き渡った状態ではプラセボを使うことで治験の実施が困難になることを考慮すると、既存薬との比較ができることの利点は大変大きいものと思われる。対象者の数については慎重派にとっては多少気になるかもしれないが。

条件緩和についての記事は下記のとおりで、すでに製薬会社ではこの新方式に基づき開発を進めているとのこと。

【独自】国産ワクチン実用化加速へ治験条件緩和…参加者数を数万人から数千人規模に縮小 : 読売新聞

【読売新聞】 政府は、新型コロナウイルスワクチンの効果や安全性を検証する臨床試験(治験)の条件を緩和する。本来は数万人必要な参加者数を、数千人規模に縮小する新…

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